column『朝ごとに新しい』

column『朝ごとに新しい』
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His compassions never fail.
They are new every morning.
Great is Your faithfulness.
Lamentations 3 : 22-23
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主のあわれみは尽きない。
それは朝ごとに新しい。
あなたの真実は力強い。
哀歌 3:22-23
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紀元前7世紀末から紀元前6世紀前半の、バビロン捕囚の時期に活動した若き預言者エレミヤの言葉です。
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彼が神の召命を受けたのは、南ユダ王国のヨシヤ王の治世第13年(紀元前627年)。
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当時のイスラエルの民は…異教のバアル信仰にはしり、堕落し、罪が蔓延ります。
エレミヤは「北からの災い」が来ることを預言し、民に悔い改めを呼びかけるも、民は聞かず、エレミヤは人々の反感を買い、ゼデキヤ王の時代には牢獄につながれ、命の危険にもさらされます。
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悔い改めを頑なに拒むイスラエルの民は、北からの災い=新バビロニア王国の侵攻にあい、バビロニアに連行されます(バビロン捕囚)。紀元前587~586年
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この混乱の中、バビロン王にとって最も信頼できるユダに残る政治的な指導者で、親バビロン派であった総督ゲダルヤの庇護の下に、エレミヤはエルサレムで活動を続けますが、紀元前568年にゲダルヤが暗殺されると、その後の混乱の中で、エジプト逃亡を主張する一団に無理やりエジプトへ連行されます。
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今日のロシアのウクライナ侵攻で翻弄される人々とも似ている部分があるように思えますが、戦争はなくとも、混乱と困難の中、確かな希望が見えず生きている今日の私たちの現状とも重なります。
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エレミヤは、そのような絶望的な状況の中で、社会の現実に苦悩し、神にその苦しみを訴え、そして、未来への希望を語ります。
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「主の慈しみは決して絶えない。
 主の憐れみは決して尽きない。
 それは朝ごとに新たになる。
 神の真実は限りなく、 その恵みは朝ごとに新しい。」と。
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『朝ごとに新しい』恵みと希望の光を意識して、お互い歩んでいきたいものですね。