親子関係の勘どころ⓫・・・映画(実話)『落ちこぼれの天使たち』(Stand And Deliver)~奇跡を起こすかかわり方~

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ビリギャル(出版の年)に先行すること34年前の1981年、南カリフォルニア、低所得層、移民層のラテン系住民ばかりの生活貧窮地区にある、学級崩壊の状態のガーフィルド高校に、元会社員でコンピューター技師のエスカランテが新任の教師として赴任してきます。(実話です)
コンピュータ科に採用されたはずのエスカランテでしたが、学校にコンピューターが導入されていないため、数学を教えることになります。
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学級崩壊、学力低下から州の認可を取り消される危機にあったガーフィルド高校。高校を卒業しても、たいしたした未来図を描けない社会背景。何の希望も持てない生徒たちにやる気などあるはずもない。見きりをつけた教師の中には、企業に就職する者も出る‥等々。
(実話です)
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そのような中、エスカランテは、職員会議で、『数学の認定試験に多くの合格者を出せば、生徒は将来を見ることができ、学校も向上している証明になる』と提案しますが、先生たちからは、「まず地域の経済状況の回復が先ね」、「やつらは小学6年生程度だ!教師でさえ受からなかった者がいるテストだぞ」と猛反対を受けます。
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しかし、それでもエスカランテは「可能性はある!大切なのはやる気だ!」と、夏の補習を開きます。
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ところが今度は保護者たちからの理解が得られず、低所得層に住む家庭環境らしく、勉強よりもレストランでのバイトをさせられる生徒や弟妹たちの世話で家を離れられない生徒、ギャングの仲間たちの誘いを断れない生徒…等々。
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しかしエスカランテは、真摯に、そして熱心に授業をし、ついに過労で倒れます。
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そこまで熱心に自分(と将来)に『かかわって』くるエスカランテの熱意に、皆、真剣になっていきます。
‘そこ’ には、家庭環境や社会のせいにすることからくる ‘あきらめ’ は、もはやどこにもありません。
小学校のたし算やかけ算から始めた生徒たちは、高校数学の微分・積分もクリアしていきます。
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この年、ガーフィルド高校は、18人全員が合格し、南カリフォルニアで最大の合格者を出します。(実話です)
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しかし、認定試験実行委員会から『不正行為があったのだろう』と、合格の無効を突きつけられます。そればかりか認定実行委員がガーフィルド高校にやって来て、生徒に不正行為の自白を迫ります。
怒ったエスカランテは、ならばと認定試験実行委員会に再試験を訴えます。
厳しい監視のもとで行われた再試験では生徒全員が前回よりよい成績をとり、全員が合格します。(実話です)
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この年18名以上の合格者を出したガーフィルド高校は、その翌年からもさらに多く、ひとけたも二けたも上の合格者を出し続けていきます。
(実話です)
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エスカランテの『かかわり』のあり方が、リアリティセラピーの R-WDEP のそれと似ているということで、現実療法学会(→現在の選択理論心理学会)の集中講座のプログラムの中で?、このガーフィールド高校の実話に基づいた映画『落ちこぼれの天使たち』を柿谷正期理事長らと共に観たことを思い出しながら、?今回のブログに紹介しました。
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日本リアリティセラピー協会会員
日本選択理論心理学会会員
? 古賀俊一郎