column/essay ?『レベルに応じて』

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東日本大震災の時は、都内の頑丈なマンションに住んでいたのですが、それでもなかなか揺れが収まらず、このままだと壁にひびが入り出すのでは… という恐怖心がよぎり、思わず、「あー、神さま、もうすぐ ‘JIN’ の最終回だから、せめてそれまで待って!」と口に出したのを覚えています。
もはや祈りというよりは会話。
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幸い、‘JIN’ の最終回の後に大きな地震は起こりませんでしたが…。
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高視聴率のドラマでしたからご存じかもしれませんが、‘JIN’ は、当時(2009年10月から2011年4月)放映されていた東芝日曜劇場の連続ドラマ。
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江戸時代にタイムスリップした現代の脳外科医が、自らも幕末の動乱に巻き込まれていく、時空を超えた愛と命の感動物語です。
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その番組の中で、主人公がたびたび叫んでいた『神は、乗り越えられる試練しか与えない』という言葉は、多くの人の心に刻み込まれたことでした。
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‘自分事’ にとらわれて、あっぷあっぷしている時は、他人のことを思いやることもできず、神様からの語りかけの声も聞こえません。
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他人のこと。いえ、すぐそばにいる人の心の声、痛みも悲しみも理解できないでしょう。
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ですから、そんなときは深呼吸をして、
ゲームや受験でも、その人にあったレベルがあるように、今 ‘私’ が抱えている困難や試みも、それは、今の ‘私’ にあったレベルのものとして、‘与えられて’ いるということを覚え、
主人公の ‘JIN’ が叫んだあの、『神は、乗り越えられる試練しか与えない』という言葉を、今また困難な状況に生きる私たちの成長のために、心にしっかりと刻んでいきたいものですね。
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その言葉の ‘出どころ’ である聖書の言葉はこれです。
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『あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。
神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。』
Ⅰ Corinthians 10:13
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末節、被災地の皆様のお見舞いと一日も早い復旧をお祈り申し上げます。